2008年07月01日
出会い
それは先週のこと、飴玉さんが田舎道に車を止めて仕事してたときのこと
気がつくと、10メートルほど離れたところに1匹のわんこが座ってた、じっと
田舎道だけど車が通る車道に、彼はひとりポツンと座って、ぼくを見てた
ぼくは片づけなきゃならない仕事があったから、見て見ぬふりをしてた
次に気がついたとき、わんこはぼくから5メートルの場所に座ってた
それは、炎天下の真っ昼間のことだった
さすがにぼくは苦笑いを浮かべながら、車を止めた場所へ向かうと、
わんこがひょこひょことついてきた、やっぱり…
その距離、2メートル
…ぼくが車の陰に座ると、また近づいて、その距離、1メートル
わんこはひどく汚れてた
夏だというのに汚れた体毛は伸び放題、植物の種子を体中につけてる
しばらく見つめあったあと、わんこはもう目の前にきて、ぼくを見上げた
目の色に、明らかにかつて人間に飼われてた表情が浮かんでる
正直、触れるのもためらうほど汚れてたけど、ぼくは頭をなでてみた
わんこはうれしそうに、かがんだぼくの膝に乗ってきた
ぼくが驚いて立ち上がると、遅かった、ズボンはもう、まっ黒になってた
ぼくが再び車を離れると、わんこはついてくる、車の往来も気にせずに
車の運転手がぼくをにらみつけて走り去る、ぼくの犬じゃないのに…
ぼくが制止すると、わんこはぼくの車で帰りを待つことにしたらしい
ぼくの車から、決して離れようとはしなかった、クソ暑いはずなのに
これはマズイと思ったぼくは、車に乗り込み、アクセルを踏み込んだ
ミラーに映るわんこが小さくなってく …そしてすぐに、見えなくなった
2008年07月02日
再会 ①
わんこと出会った日から、ぼくはもう、気になってしょうがなくなってた
仕事帰りに遠回りして寄ってみたけど、わんこはどこにも見当たらない
翌日は大雨で、ぼくは仕事中も、わんこのことばかり考えてる始末…
その日もその次の日も、わんこは出会った場所にはいなかった
ウホッ
縁がなかったとあきらめかけた土曜日、海に向かう途中に、彼は、いた
海パンとTシャツ姿で彼を抱き上げ、車に乗せた、けど、おそろしく臭い
とりあえず近くの海で下洗いしてから、家に連れて帰ることにした
彼の容姿は、もはやスターウォーズの「チューバッカ」にしか見えない…
参照 チューバッカさん(約200歳)
ち、ちゅめたい…です
その後、家に連れ帰り、有無を言わさずシャンプータイムとあいなった
シャンプー全く泡立たず、ドス黒い水が、排水口へと流れていったとさ
…後編に続く
2008年07月03日
再会 ②
最初のシャンプーを終え、シャンプーと臭さが混ざる、結局は臭いわんこ
続いてビューティー飴玉先生による、1時間に及ぶヘアカットが始まった
わんこくん、シャンプーといいヘアカットといい、おとなしく辛抱してくれた
しまいにはマッサージ効果で気持ちいいのか、うっとりし出す始末…
かつお節じゃあ、ねえよ
こちら、ビューティー飴玉先生によってカットされた、わんこの体毛たち
こんなの着てたら、さぞかし暑かっただろうに、正に毛皮だよ、これじゃ
しかも、飢えと渇きにも耐えてきたんだね、よくがんばった、感動したっ
などと言いつつ、2度目のシャンプーにかかり、やっと普通の匂いになる
くぅくぅ…
午後9時、激動の一日、終わる …食事して、わんこくん、就寝
飴玉さんにとっても激動の一日だったよ、これからは一緒に暮らそうね
この後、深夜2時と4時、わんこに顔中を舐めまわされ、叩き起こされる
あ…うん…ありがと…舐め…て…くれ…て…うれ…しい…で…す…
2008年07月08日
はじめてのおさんぽ
エヘッ
ぼくだよ、わかる もうチューバッカじゃないよ、でも名前はまだないよ
今日は日曜、飴玉せんせと海辺にはじめてのお散歩にやってきたよ~
スッキリさわやか・わんこくん、またの名を、日陰をこよなく愛する男
せっかく散歩に来たのに、日陰を探してまったりするのが特技です
すりすり…
ビューティー飴玉先生と、この微妙に触れ合う感じがお気に入り
こうすると飴玉せんせが撫でてくれるの、ぼくはもう知ってるんだ
ほれ、早く、せんせ、早く、ほれ…
飴玉先生、ご要望にお答えして「ヨォ~シヨシヨシ、ヨォ~シヨシヨシ…」
あは~~
たまらん …何回撫でられてもうれしい… もういいって言うまでやって
ああん、もう …いっつもいいとこで終わっちゃうんだよなあ、もうっ
ってなわけで、わんこくん、はじめてのおさんぽの巻でしたあ
ところでビューティー飴玉先生の腕前の方は、いかがなもんですかね
2008年07月11日
超高速ヨシヨシ
はっ!?
このボクが…不用意にお腹を見せるとは…野良だったこのボクが…
しかも飴玉せんせ、すでに例の技の体勢に入ってる、サスガだ…
うっ…やはり速い、手の動きが早過ぎて、見えない、このままでは…
だが、「元ノラ」の名に賭けて、ここは耐えねば、いや、耐えてみせる
…ヨシヨシヨシヨシヨシヨシヨシ…
はあっ、ヨシヨシが呪文のように聞こえる…このままでは本当に…
あきらめるな、ボク …勝負はまだ始まったばかり …これからだっ
緩急自在のテクニック…体の力が…だんだん…抜け…て…く…る…
しかもよく考えたら、キンタマ丸出しだ、ボク…ま、まあ、それはいいや
ほへ~~
てなわけで、「超高速ヨシヨシ」の巻でしたあ
この物語はフィクションであり、登場する人物等とは一切ゴニョゴニョ…
ホントはわんこくん、飴玉さんのこの技が大好きなんだよ~
自分からお腹を出して、飴玉さんをチラ見してきま~す、ルン
2008年07月14日
昼下がり
・・・。
飴玉せんせ、今日はお休み …毎日暑いナ、早く夕暮れにならないかなあ
陽が沈む頃になったら、飴玉せんせがお散歩に連れてってくれるんだよ
でもせんせ、今日はずっと、本を読みながら、難しいこと言ってる
それでたまに、ぼくを撫でてくれる、テツガクがどうのなんて、言ってる
びろ~ん
せんせはよく、ぼくを撫でながら、「ウチに来てしあわせかい?」と聞く
ぼくは「シアワセ」という言葉がわからないから、首をかしげる
ぼくは好きな人を舐める、さみしいときには「くぅ~ん」と鼻を鳴らす、
ウチの庭をノラにゃんこが通ったら、「アンアン」と甲高い声で吠える
うにょうにょ
だからぼくは、せんせを見つめる、いつも、せんせのそばにいる
せんせは苦笑いしながら、またぼくを撫でる、ぼくはそっと目を閉じる
ただそれだけの、休日の昼下がり、せんせはまた、難しいこと言ってる
2008年07月16日
飴玉さんの悩み
この写真、飴玉さんの「お気に入り」のショットですが、何か問題でも
実際は、たったひとつだけ問題がありまして、それは、オシッコのしつけ
てなわけで飴玉さん、図書館で「犬のしつけ」の本を借りてきました
1981年発行、愛犬の友編集部編「写真と絵で見る犬のしつけガイド」
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2008年07月18日
ピンボケ劇場
うにょうにょ
はいっ、台風が近づく今日この頃、せっかくの3連休もヒマなんだろうな
てなわけで「青はて」も含め、ここで記事を書きためようと誓う、飴玉さん
今日のところは、「続きを読む」からの小ネタでご容赦のほど、ゴニョ…
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2008年07月22日
ほいくえん(屋外編)
飴玉さんの仕事中は、ウチのわんこ、友達の整備工場でお留守番
家にひとりで留守番はかわいそうだし、吠え続けて近所迷惑だからね
そんでもって保育園には、写真のメイちゃん(2歳・♀)がいてくれる
彼女はやさしく頭を撫でられるのが好き …目がウルウルになるんだよ
しっとりと見つめてくる視線は、まるでキスを求める女性のように見える
まあそんなこんなで、ある日の保育園のストーリーをお届けします
ここは車の下 …朝っぱらから「日陰をこよなく愛する男」の本領発揮
まったりと夏の一日をやり過ごす、いつも通りのウチのわんこくん
ふぁあ~あ
ここは風通しもいいし、眠くなってきちゃったヨ …舌が長いっしょ、ぼく
飴玉せんせが、ぼくを呼んでる …なんだろ、もうお仕事の時間かな
ごたぁいめぇ~ん
メイちゃん : よかったらアタチ、アナタと遊んでさしあげてもよくってよ
日陰くん : いえ、大丈夫です、ぼく …自分、元ノラで不器用ッスから
飴玉さん、見るに見かねて、さりげなくリードを引っ張るの図
メイちゃん : もぉ、早くしなさいよ、煮え切らない男ですわ、まったく…
日陰くん : ぼくは日陰でまったり …せんせ、やめて、引っ張らないで
飴玉さん、我を忘れて、力任せにリードをぐいぐい引っ張るの図
メイちゃん : もういい加減にしなさいよ、なによこの意気地なしっ
日陰くん : せんせ、苦しっ、ぼくは行きたくないの、いやなの
飴玉さん、あきらめて脱力、呆然としつつ、リードを緩めるの図
日陰くん : あっ、せんせの手だ、舐めよっと、ペロペロペロ…
メイちゃん : な、なんですの …まったく、あきれて物も言えませんわ
次回、「屋内編」に… つづく
2008年07月24日
ほいくえん(屋内編)
お昼休みに飴玉さん、わんこくんが心配で、保育園をのぞきにきたよ
お尻の匂いは決して嗅がせない女、メイちゃんもお出迎えしてくれた
メイちゃん、ホントは飴玉さんに撫でられたいのに、待つタイプの女なの
秘かに、ウチのわんこにジェラシーの炎を燃やしておるのであります
そんなこととは露知らず、ウチのおバカさん、飴玉さんの胸に登山開始
よいしょ、よいしょ、ぼく、早くせんせにくっつきたいの、よいしょ、よいしょ
やっと頂上に着いたあ、さっそくせんせに、ぺとっ …すりすり、あは~
はああ、これこれ、極楽極楽 …ほれ、早くせんせも撫でンしゃい、ほれ
ピキィィィ~ン
メイ、凍りつくの図 …置き物と化し動ぜず、されど目は淋しさにウルむ
アタチ…だって…せんせに…撫で…て…ほし…い…の…に…
なぜかメイのところだけ、画像暗し …黒い雨雲、ドンヨリドヨドヨ
ウチのおバカさん、ひとりご満悦、尻尾振りまくりでウレション漏らす
メイちゃん、必死にカメラ目線で訴えます
みなさま…どうなんですの…この状況…あんまりじゃございませんの…
これって、どうなんですのぉ
おバカが来るまでは、せんせ、思う存分アタチを撫でてくれておりました
ひどすぎますわ、あんまりですわあ …もうおバカとは口聞きませんの
メイちゃん : プイッ
おバカさん : プイッ
おしまい